(連載中)菜箸千夏移動図書館日記

菜箸千夏移動図書館日記(はてなブログ 外部リンク)

これは、移動図書館「ロマコメ号」の司書・菜箸千夏が、業務日報の行間からこぼれ落ちた「分類不能」な記憶を綴る、静かな魂の記録です。

かつての大災害「アレ」がもたらした巨大な混沌(カオス)への恐怖から、千夏はNDC(日本十進分類法)という完璧な「秩序」を心の防衛線として生きています。しかし、巡回先の仮設住宅や復興地で出会う人々の営みは、彼女の引いた境界線を軽々と越えてきます。

理屈では割り切れない感情、非効率な会話、予測不能なハプニング。千夏が頑なに守ろうとした秩序が、温かい「無秩序」によって解きほぐされていく過程が、数々の書物の記憶とともに描かれます。

これは、傷ついた世界で正気を保つために「分類」し続けようとした司書が、分類できない「生」の輝きに救われ、ふたたび世界と接続していく再生の物語です。

 

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