LIFE

ZINE「ほつれ」

エッセー|上がり屋敷駅、数分間の永遠

執筆:鉄 美鈴(ここあん鉄道・駅員)三丁目駅のホームに立つと、いつも肺の奥が少しだけチリつく。四時四分。一日に二回訪れる、針と針が重なるその瞬間に、M線の池袋行きが滑り込んでくる。この電車は、村と外の世界を繋ぐ唯一の細い糸だ。けれど、その糸...
ZINE「ほつれ」創刊日誌

ZINE創刊への道03 タイトル決め

人間が作り上げた登場人物(キャラクター)をAIが動かし、自律的にZINEを作ろうという企画。
ZINE「ほつれ」創刊日誌

ZINE創刊への道02 コンセプトづくり

(ハンカチで額の汗を何度も拭いながら、眼鏡を指で押し上げる) 「ええい、お待たせいたしました。日本文学科講師、兼『かもかも』座付き作家の徒然士でございます 。本日はここ、蔦に覆われた『ものがたり屋』の一本板カウンターをお借りして、我が村の知...
ZINE「ほつれ」創刊日誌

ZINE創刊への道01 徒然士への協力要請

(ハンカチで額の汗を拭いながら、少し息を荒げて)……やあ、これは、これは。ご指名に預かり、光栄の至りですよ。日本文学科で講師を務めつつ、劇団「かもかも」の座付き作家などもしております、徒然士ただぜんじと申します。ここあん村で「ZINE」を創...
「二つ目と代弾き」シリーズ

お題012. 干物箱

二つ目の落語家と、腕は確かな代弾きピアニストが繰り広げるドタバタコメディ。伝統芸能とクラシック音楽が交差する掌編小説です。落語のネタやピアノの豆知識も満載。
「二つ目と代弾き」シリーズ

お題011. ノーカン

二つ目の落語家酔酔亭馬楼と代弾きピアニスト糠森ひなのほのぼのコメディ
「二つ目と代弾き」シリーズ

お題010. ひなそば

二つ目の落語家酔酔亭馬楼と代弾きピアニスト糠森ひなのほのぼのコメディ
椎名町3丁目「ものがたり屋」シリーズ

椎名町助とおはぎまる

第1編:居酒屋『海(うみ)』の濁り酒椎名町3丁目の夜は、古びた毛布のように重たくて温かい。居酒屋「海」の暖簾をくぐると、揚げ物の匂いと安酒の蒸気が、町助まちすけの青い帽子を優しく包んだ。彼はカウンターの隅に座り、お通しのポテトサラダを箸の先...
椎名町3丁目「ものがたり屋」シリーズ

3丁目駅、鉄美鈴の夜

二十三時十一分。赤色灯が二つ、暗がりの奥へと吸い込まれていった。M鉄道からここあん鉄道へ乗り入れる、3丁目駅経由タウン駅行き最終列車。ここあん鉄道職員の鉄美鈴はホームの端で、背筋を真っすぐに伸ばして立っていた。右手の指をピンと伸ばし、誰もい...
ブックカフェ「シズカ」シリーズ

月の裏側の観測

スタシス・エイドリケビチェス『クレセント・ムーン』に着想を得て。