思考の断片は、痕跡を残さず消える軟体動物のように揮発性が高い。この記録は、結論という「骨格」に至る前の、問いや連想という「軟体部」を、バージェス頁岩のように保存しようとする私的な地層形成の実験である。日常の些事や人間社会の営みは、数億年の地質学的時間軸(ディープ・タイム)というフィルターを通すことで、全く異なる相貌を見せる。これは古生物学研究者・化野環による、都市と人間、そして思考のタフォノミー(化石化作用)に関する69日間の観測記録だ。未来の地層から、何らかの示準化石が発見されることを期待して。(化野環)
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構成・千早亭小倉
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