ZINE

ここあん村の住民自主企画(?) 住民自らの手による創作集です。

●ZINE「ペンタ」
ここあん大学・高校生の作品が中心。編集長はここあん高校文芸部長「黒崎文」。

ZINE「ペンタ」
ZINE「ペンタ」

●ZINE「ほつれ」
ここあん村にはたくさんの小説家や芸術家が暮らしています。そんな無名の作家たちの作品集です。編集長は伝説の編集者「鴨下留美子」。

ZINE「ほつれ」
ZINE「ほつれ」


 

ZINE「ほつれ」

環奈への手紙(2)

――命名は、解像度を低下させる行為。 手厳しいけれど、図星。 香料に「ローズ」や「サンダルウッド」とラベルを貼った瞬間、その奥にある複雑な分子の揺らぎを見ようとしなくなる。記号で括って安心したがる大人たちへの、あなたらしい皮肉。あなたは、激...
ZINE「ほつれ」

環奈への手紙(1)

「思考のタフォノミー」……。死を、単なる終わりではなく「記録へのプロセス」として捉えるあなたの視点は、あなたが環奈だとするなら、相変わらず冷たくて、そしてゾッとするほど美しい。あなたが書いた「揮発性の有機化合物」という言葉。調香師である私に...
ZINE「ほつれ」

寄稿「水底で濾過される太陽――エリュアールの不在と共鳴」

あるいは 「深海の月光と、逆行するサガン」として向原佐和(ドイツ文学翻訳)木々の深い吐息が淀む、ここあん村。偶然足を踏み入れたここあん図書館の、冷え切った空気を静かに肺の奥へと吸い込む。整然と並ぶ書架の背表紙を指の腹でなぞっていくうち、ふと...
ZINE「ほつれ」

環奈への手紙

アンバーの遮光瓶を棚に戻し、指先に残ったベチバーの根の土臭さを静かに吸い込む。湿った土壌の香りは、神経のささくれを均すのに都合がいい。作業台の端に置いたタブレットの画面が、静かなアトリエの空気を白く切り取っている。植物の化学組成について調べ...
ZINE「ほつれ」

コント「清き一滴」円城寺奏

万歳三唱の咆哮とともに、議場は「物理的」に崩壊した。首相の解散宣言は強力な分解酵素となり、議員たちはスーツもろとも極彩色の液体へと姿を変えたのだ。これぞ真の解散総選挙である。液体化した候補者たちは、排水溝を伝い、全国の家庭の蛇口へと忍び込む...