止まり木の温度|真田まる

この木の板、見てみて。 誰かの手のひらが、何年もかけて、 ゆっくりとなでてきた跡があるわ。 角がとれて、つるつるになって、 まるで、よく知ってる人の肌みたい。

おでんの湯気の向こう側で、 あんさんの眼鏡が、 ふんわり白く曇るのを、 私は、隣でじっと見てる。

外の風は、 包丁みたいに鋭いけれど、 ここだけは、 お風呂あがりの、あの、 足の裏のぽかぽかがずっと続いてるみたいや。

グラスが板を叩く音が、 夜の静けさに、やさしく溶けていく。

ねぇ、あんさん。この温もり、 明日まで、こっそり 上着のポケットに入れて、持って帰れたらええのにね。

真田まる

*ここあん村および本サイトに掲載している小説類の設定はフィクションです。
*The articles on this site were written by a human, peppered with AI.
*無断転載禁止 Copyright © 2025 千早亭小倉|話紡庵レーベル All Rights Reserved.

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真田まる「夜明け前のひとりごつ」
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