移動図書館

ものがたり

移動図書館日記(88)

これは、日記という名を借りた私の記憶。三月。窓を少しだけ開けると、冬の名残を含んだ冷たい風が、本館の真新しいカウンターをさっとなでていった。外では、児童担当の北条くんが子どもたちを追いかけて、春の光のような明るい声を響かせている。その様子を...
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移動図書館日記(87)

これは、日記という名を借りた私の記憶。――「主任 菜箸千夏」。主任という新しいラベルが、まだ糊の乾ききっていない付箋のように、私の胸元で少しだけ浮いている。一人で背負っていた書架の重みを、今はチームという丈夫な箱に分けて収めている。二階のガ...
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移動図書館日記(86)

図書館の開放と新しい座標移動図書館司書・菜箸千夏の日記。三年ぶりの図書館建物開放。開架フロアの復活という奇跡と、本館を補完し能動的に無秩序な現実に寄り添うロマコメ号の新たな役割への力強い決意。[移動図書館/図書館再開/未来]
ものがたり

移動図書館日記(85)

会いたいという衝動移動図書館司書・菜箸千夏の日記。「亡き曽祖母に会うため死にたい」と語る少年。プロとしての正解や分析ではなく、ただ隣で気持ちに頷く優しさこそが人を支えるという気づき。[移動図書館/グリーフケア/子ども]
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移動図書館日記(84)

新品の布団と笑い声移動図書館司書・菜箸千夏の日記。井戸端会議で「支援物資の布団」の話題を明るく笑い飛ばす女性たち。悲しみをそのままにしておかない、生活者の強さと圧倒的な「生」の熱気について。[移動図書館/コミュニティ/日常]