氷上静

掌編「物語の寄港地」シリーズ

掌編「繕われた地図」

湖からの反射光が、ブックカフェ『シズカ』の床に、ゆらゆらと動く菱形の模様を描いていた。光は磨かれた床板を滑り、壁一面の本棚の、古い背表紙の金文字を一瞬だけ照らしては、また別の場所へと移っていく。レコードプレーヤーからは、抑制の効いたピアノの...
つぶやき

名言2(氷上静)

氷上静(ブックカフェ「シズカ」オーナー):君のその感情に出典はあるの?
掌編「物語の寄港地」シリーズ

掌編「月の裏側の観測」

スタシス・エイドリケビチェス『クレセント・ムーン』に着想を得て。
シズカな笑い

氷上静ひとりコント

【登場人物】氷上 静(ひかみ しずか):現代思想家兼ブックカフェオーナー。世界を完璧な論理で整理したいが、物理的な「糊のり」や「汚れ」といった現実の粘着性に弱い。【場面設定】深夜のブックカフェ「シズカ」の厨房。営業が終わり、静けさに満ちた空...
掌編「物語の寄港地」シリーズ

掌編「六月の雨」

六月の雨は音もなく、世界の輪郭を静かに滲ませていた。ブックカフェ「シズカ」の大きな窓ガラスを、名前もない筋となった雨水が無言で流れ落ちていく。店内に満ちるのは、焙煎された豆の香ばしさと、古い紙が湿気を吸って放つ微かな甘い匂い。レコードプレー...