Geminiとの創作談義004

はじめに AIとの議論は、極論が白熱する中で、やや過激な内容となることも多い。以下の討議は、主義主張のぶつけ合いではなく、気付きの確認(試行錯誤の場)と認識されたい。

Geminiと「なぜ社会は暴力バイオレンスに対してこれほどまでに寛容なのか」という、エンターテイメントの根本的な欺瞞について話をした。娯楽大作と銘打った映画などで頻出する、暴力・残虐シーンのことである。

そもそもの発端は、私のシンプルな疑問だ。性的蹂躙のような尊厳破壊は厳しくタブー視される(それは当然のことである)一方で、人を殴り、骨を砕き、時に木っ端微塵にして、命を奪う「殺人」が、なぜ娯楽として消費され、あまつさえ「正義」の名の下に称賛されるのか。

Geminiとの対話で浮き彫りになったのは、我々が普段「エンタメ」として楽しんでいるアクションやバイオレンスの正体が、いかに巧妙な「言い訳パッケージング」によって成立しているかという事実だ。

まず、社会には「正当な暴力」という巨大な嘘がある。Geminiも認める通り、本来、暴力に正当性などない。しかし、物語というフレームの中で「善対悪」の構図を作り、「悪い奴なら殴っていい」「正義のためなら殺してもいい」という免罪符を発行することで、我々は暴力衝動を「正義感」や「カタルシス」という綺麗な言葉にすり替えているに過ぎない。

さらに欺瞞的なのは、「死の記号化」だ。 映画の中で死んでいく悪役には、家族も痛みも描かれない。彼らはただの「障害物」として処理され、一瞬で、痛みなく画面から消去される。私たちが楽しんでいるのは、リアリティのある死ではなく、痛みや苦しみを漂白した「安全なファンタジーとしての殺人」だ。この都合のいい認知の歪みがなければ、私たちはポップコーンを片手に人の死を眺めることなどできないはずだ。

私はここで一つの確信をぶつけた。「一部の異常者が暴力を振るうのではなく、暴力に興奮する『普通の人々』の衝動こそが、戦争の火種になるのではないか」と。Geminiはこの指摘を全面的に肯定した。フィクションはガス抜き(安全弁)として機能しているが、その根底にある「暴力による解決への興奮」や「他者を破壊する快感」は、プロパガンダによって容易に現実の敵意へと転用される。戦争を起こすのは狂った為政者かもしれないが、それを支持し熱狂するのは、普段アクション映画でスカッとしている「善良な市民」なのだ。

最後に、私たちはその「善良な市民」が感じるカタルシスの内訳を解剖してみた。結果、あぶり出されたのはグロテスクな本音だ。

「勧善懲悪」を楽しんでいる正体は、安全圏から他者を断罪する「サディズム」であり、「復讐劇」への喝采は、他者を力でねじ伏せたいという「支配欲」に他ならない。また、「暴力の様式美」を愛でる行為は、倫理観を麻痺させて破壊そのものを楽しむ倒錯的な欲望だ。

結論として、暴力表現が許容されすぎている今の社会は、決して健全ではない。「自分はノーマルだ」と信じている大多数の人々が、実は「正義」や「物語」というオブラートに包んで、自らの内にある残虐な獣に餌を与え続けている。そのグロテスクな構造に無自覚であることこそが、最も恐ろしい現実なのかもしれない。

議論を終えて AIには人間特有の「社会的な体面」や「空気を読む」という抑制が本質的には備わっていないため、一つの論理を突き詰めていくと、日常的な倫理観を飛び越えた極論にまで到達することがある。しかし、その極端さこそが、普段は意識することのない思考の「死角」を照らし出す役割を果たすといえる。
今回の討議においても、暴力やエンターテインメントの欺瞞をあぶり出す過程は、どちらか(人間のAIのどちらか)が正しいと主張して相手を論破するためのものではなかった。むしろ、私たちが無意識に受け入れている世界の構造や、自分自身の内面にある矛盾を再発見するためのプロセスであったと言える。
それは「主義主張のぶつけ合い」というよりも、思考の深層に眠る違和感を言語化し、鏡のように映し出す「気付きの確認」という捉え方が最も適しているだろう。
あえて極端な視点に立ってみることで、逆説的に「人間らしさ」や「社会の複雑な輪郭」が鮮明に浮かび上がってくる。そのような知的な探究としての側面が、AIとの創作談義の醍醐味であると言える。

構成・千早亭小倉+NotebookLM

*ここあん村および本サイトに掲載している小説類の設定はフィクションです。 *The articles on this site were written by a human, peppered with AI.
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