higashiboctok

ZINE「ほつれ」

寄稿「水底で濾過される太陽――エリュアールの不在と共鳴」

あるいは 「深海の月光と、逆行するサガン」として向原佐和(ドイツ文学翻訳)木々の深い吐息が淀む、ここあん村。偶然足を踏み入れたここあん図書館の、冷え切った空気を静かに肺の奥へと吸い込む。整然と並ぶ書架の背表紙を指の腹でなぞっていくうち、ふと...
住民一覧

向原佐和

氏名:向原 佐和(むこうはら さわ)年齢・性別:30代後半・女性肩書:ドイツ文学翻訳家言葉を扱う精密機械のように、常に冷静で感情の揺らぎを決して表に出さない女性です。厄介な感情や衝動さえも知性のメスで解体し、「翻訳という名の論理の檻」に閉じ...
ZINE「ほつれ」

環奈への手紙

アンバーの遮光瓶を棚に戻し、指先に残ったベチバーの根の土臭さを静かに吸い込む。湿った土壌の香りは、神経のささくれを均すのに都合がいい。作業台の端に置いたタブレットの画面が、静かなアトリエの空気を白く切り取っている。植物の化学組成について調べ...
早稲田サテライト「ラウンジ」

コント「積み重なるもの、消えゆくもの」

場所ここあん大学学生ラウンジ「アンコンフォーミティ」(早稲田サテライトキャンパス地下)登場人物空野 円(そらの まどか): 哲学科講師。窓際で動かない雲をずっと見ている。花野 環奈(はなの かんな): 古生物学M2。ソファーの横に積まれた「...
菜箸千夏「移動図書館日記」

図書館長より職員のみなさんへ

「段階的開放に伴う業務指針と、移動図書館の役割再定義について」高島雅也皆さん、おはようございます。ここあん村立芸術図書館は、三年間にわたる「完全閉鎖」という異常事態に終止符を打ち、一階および二階の一部を村民に開放しました。まず、今日という日...