箱庭小説

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大人のための寓話「広場の隅のからくり時計」

町の広場の真ん中に、そのからくり時計は立っていた。今も、昔も、まったく同じ場所に。その時計は、毎日正午に開かれる小さな舞踏会の主催者だった。時計からワルツが流れ出すや、広場そのものが陽光の降り注ぐ舞踏室に変わり、誰もがその優雅な音色に引き寄...
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大人のための寓話「嘘の色」

最初に嘘の色が見えるようになったのは、いくつのときだっただろう。物心ついた頃にはもう、人の言葉には時々、奇妙な色がまとわりついていた。世界は、私にとって四つの色でできていた。ひとつめは、まっしろ。母が私の拙い絵を見て「まあ、上手ね」と言った...
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大人のための寓話「静かな世界」

SNSは不夜城。祭りの会場では誰もが仮面をつけ、自分の心の奥底にあるものを、いつでも好きなときにありったけ叫ぶことができた。愛の詩、呪いの言葉、くだらない冗談、すべてがごちゃ混ぜになって、熱気を帯びた渦を巻いていた。誰もが叫び、誰もが指差し...
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移動図書館日記(30)

70歳の焼き鳥屋 移動図書館司書・菜箸千夏の日記。商店街の再建工事の音は、始まりの音。70歳で焼き鳥屋を始めるというおばあちゃんの、予測不能で力強い「ロマン」に触れて。[移動図書館/商店街/再出発]
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移動図書館日記(29)

パッチワークの絆 移動図書館司書・菜箸千夏の日記。お茶会で知った、隣人の意外な特技。「おしゃべり」という非効率な時間が、バラバラになったコミュニティを編み直していく。[移動図書館/手芸/地域の絆]