伊武人具

箱庭小説(掌編・スケッチ)

箱庭小説「101人のオーディション」

映画館「夕日座」のロビー。薄曇りの光が磨りガラスを通して床に落ちている。乾いた木と機械油の匂い。柱時計の振り子が規則正しく刻む音。「支配人、これ見てくださいよ。機械が勝手に作った動画なんですけど。すごいんですわ」おはぎはんは受付カウンターの...
箱庭小説(掌編・スケッチ)

箱庭小説「グッド、伊武人具」

陽光がじっとりとした熱を帯び、アスファルトを燻す昼下がり。ここあん村克枯地区の商店街は、古いアーケードの天井で切り取られた空の青さとは裏腹に、どこか気の抜けた空気に満たされていた。カツカレー祭りの賑わいも過ぎ、日常という名の微温湯が、シャッ...
箱庭小説(掌編・スケッチ)

連続ジェミ庵小説(11)

第31話 浸透する原稿と無心の保湿【登場人物】逢坂 渉:作家。日常の偶然に過剰な意味を見出す孤高のロマンチスト。鶴亀 昌子:編集プロダクション社員。締め切りの現実逃避として「思考停止」のスキンケアを行う。【スポット】アパート「常盤荘(第二言...
箱庭コント

箱庭コント240「ピカピカのシンボル」

[シットコム・コント台本]地域通貨の「回す」を銅像の「回転」と勘違い!? ここあん村の商店街を舞台に、翻訳家・菜箸かなと個性豊かな面々が繰り広げる、すれ違いが可笑しい1幕コメディ。映画館「夕日座」前での、ユーモアと知性が光るテンポ良い掛け合い。
箱庭コント

箱庭コント79「純粋理性批判的な何か」

【登場人物】郷田 剛:克枯町商店街会長。彼の認識フィルターを通すと、森羅万象は「郷田を称えるための舞台装置」に変換される。矢尾 玲子:きさらぎタウンの主婦、自称ステキさん。彼女の認識フィルターを通すと、あらゆる事象は「ステキな自分」を修飾す...