2026-01

箱庭小説

移動図書館日記(1)「カワラナデシコと秩序」

【移動図書館/図書館が舞台の小説】図書館司書・菜箸千夏の日記。駅で見かけたナデシコの花と、分類できない記憶。完璧な「秩序」を求める心と、復興の中にある「混沌」との葛藤の始まり。作・千早亭小倉 紹介図書:梨木香歩『家守綺譚』
箱庭小説

日付のない日記|用件を言えない男

高校時代の三者面談で、担任教師が私の進路について尋ねた。当時、本気でそう思っていた私は、何のてらいもなく「漫画家になりたいです」と答えた。別に大学へ行かないと宣言したわけでもなかったのだが、その正直すぎる答えに、教師も、隣に座っていた母親も...
箱庭の語り部「千早亭小倉」著作集

『コンセプト・ハイ1.1 素話「くれくれ桃太郎」 千早亭小倉ショートショート集[一]』

本作は、桃太郎やAI、紙幣といった既存の概念や物語の定型を解体し、再構築する実験的なショートショート集です。物語そのものに加え、架空の解説者による評論や翻訳会議の様子までをも「作品」として組み込むメタフィクション的な構造が特徴です。ユーモア...
箱庭小説

移動図書館日記(零)―― 日記という名を借りた記憶

[移動図書館]ここあん村図書館司書・菜箸千夏の日記、第0話。業務日報には書けない「分類不能な感情」と、上司に否定された「ポエム」。これは震災の混沌から秩序を取り戻し、千夏が千夏であるための防衛線として綴る、記憶の再構成の記録。作・千早亭小倉
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日付のない日記|まっすぐな脇道

私の目の前に、一本のまっすぐな道が伸びている。さて、世間には「ひねくれ者」という便利な言葉がある。物事を素直に受け止めず、わざわざ斜めから眺めては、いらぬ理屈をこねる人間を揶揄やゆするための、少しばかり侮蔑のニュアンスを含んだレッテルだ。だ...