黒崎文

箱庭小説

掌編_覚醒する分度器

「浅い。絶望的に浅いわ」黒崎文は原稿の束を長机に投げ捨てた。滑った紙の束が、神崎一樹の肘を叩く。「ホームから涙ぐんで見上げる彼女を、真っ直ぐ見つめ返す? 言葉の上澄みだけをすくったような薄っぺらい感傷。別れ際にこんな綺麗な絵面になるわけない...
箱庭コント

箱庭コント「底なし沼と戻るボタン」

【登場人物】黒崎文:ここあん高校生。文芸部部長。文学至上主義。リリカ:ここあん高校生。微笑書店アルバイト。タイパ至上主義。ケニー:ここあん高校生。地味な文学少年。リリカの同級生(理解者)。【場面設定】微笑書店のレジ前。文が本を片手に熱弁し、...
箱庭コント

箱庭コント「濁点と不条理の怪盗たち」

井上ひさし『ブンとフン』と北杜夫『怪盗ジバコ』。二つの名作を「濁点」と「不条理」の視点から読み解くショート戯曲です。本をのりで貼る奇行から始まり、スケールの大きな泥棒と権威をからかう怪盗の比較まで、個性豊かなキャラクターたちが繰り広げる熱い文学談義と見事なオチをお楽しみください。
箱庭コント

箱庭コント「駄文メーカー」

文芸部室の空気が張り詰めている。「駄文!」文芸部部長である黒崎文の怒声が響き渡った。彼女は手にした原稿用紙を机に叩きつけ、部員の神崎一樹を睨みつける。「一樹、あんたの文章はいつもくどい。情報を詰め込みすぎている」神崎は、人間の心理や行動原理...
箱庭コント

箱庭コント「月またぎ」

【登場人物】カリソメ君:自らを「モブキャラ」と定義し、フラグが立たない平穏な立ち回りに病的に固執する男子。黒崎文:文芸部部長。他者の日常や言動を「構成ミス」などと小説の枠組みで容赦なく裁く。矢尾リリカ:常にスマホを見る冷笑主義の美少女。他人...