箱庭小説

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連続ジェミ庵小説(11)

第31話 浸透する原稿と無心の保湿【登場人物】逢坂 渉:作家。日常の偶然に過剰な意味を見出す孤高のロマンチスト。鶴亀 昌子:編集プロダクション社員。締め切りの現実逃避として「思考停止」のスキンケアを行う。【スポット】アパート「常盤荘(第二言...
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まるの国語辞典「まるさん」(3)

さんぽ【散歩】(のんびり)意味 目的地を決めんと、自分の足が地面を蹴る感覚だけを確かめに行く時間や。様子 深海魚が圧力に耐えるみたいに、昨日までの仕事で重くなった体を、外の空気にさらしてほどいていく作業。冷蔵庫の奥で賞味期限が切れた調味料を...
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移動図書館日記(106)遠野編

これは、日記の名を借りた、中野文の記憶。あえて旧道の峠道を選んだ。バイパスの単調な景色を嫌って。助手席には菜箸千夏さん。彼女の「優等生」な横顔をからかってしまったことを反省する。少しの気まずさが、エンジンの振動と共に私の指先に伝わってくる。...
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箱庭小説「夏風邪のダバダ」

午前四時。常盤荘の外階段の最上段で、朝霧沙緒はコンクリートに直に座っていた。素肌の上に羽織った綿のシャツの隙間から、冷たい風が入り込む。ライターのフリントを擦り、煙草に火をつける。息を吸い込み、吐き出すと、外灯の光の中で煙が白く広がった。沙...
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連続ジェミ庵小説(9)

第25話 タイトル:予鈴の硬直と被写体の変容【登場人物】古暮 賢人:ここあん大学大学院生。日常の風景から世界の破滅を読み取り、勝手に怯える小心者。奏 今朝子:元チェリストの写真家。他者の奇行を前衛芸術として肯定し、面白がる女性。【スポット】...