ここあん鉄道

箱庭小説

掌編「鈴が鳴る」|地層3

気象庁が今年も「梅雨入りしたとみられる」と、その一言に科学の誠実さを詰め込んで発表した日の午後。ここあん鉄道「大学前」駅のホームには、肌に粘つく生ぬるい空気が澱んでいた。鉄美鈴くろがねみすずは、駅務室の窓から灰色の雲が低く垂れ込める空を見上...