寄港地

箱庭小説

ヴィネット「湖畔の庵」

ここあん湖畔のブックカフェ「シズカ」を舞台にする「物語の寄港地」シリーズの一編。六月の雨は、森の匂いを濃くしていた。災害が作ったという湖は、そのすべてを飲み込んで静まり返っている。水面と空との境界線は、灰色の雨に溶けてどこまでも曖昧だ。その...
箱庭小説

箱庭小説「寄港地のピアニスト」

ここあん湖畔のブックカフェ「シズカ」を舞台にする「物語の寄港地」シリーズの一編。秋の陽光が、災害で生まれた湖のきらめきをブックカフェ『シズカ』の店内へ届け、床にくっきりとした光の四角形を描いていた。その光の領域を避けるように、客が一人、厚い...