文芸部第2部

箱庭小説(掌編・スケッチ)

第二話「他者との永続的な関係構築を恐れる男」|ここあん高校文芸部2

「『他者との永続的な関係構築を恐れる男』、か。高校生が選ぶには少し大人びたテーマだけれど、今の神崎君自身を映すには、これ以上ない鏡ね」海野みかん先生は僕の肩に軽く手を置くと、いたずらっぽく微笑んで、僕の顔を覗き込んだ。「ねえ、神崎君。一つ、...
箱庭小説(掌編・スケッチ)

第一話「リノリウムの床と風通しの良い伴走者」|ここあん高校文芸部2

翌日の放課後。僕は文芸部室ではなく、ペンタ三階の廊下を歩いていた。手には、昨夜から今朝にかけて書き殴った、数枚のルーズリーフが挟まったクリアファイルがある。『コンクリートの涙』とは別に、僕が過去から現在に至るまでに書き溜めていたいくつかの個...
箱庭小説(掌編・スケッチ)

プロローグ「食堂のカツカレーと逃げ場のない二の腕」|ここあん高校文芸部2

「あとは任せたぞ、天野」僕たちの絶対的な支配者であった黒崎文部長が、その一言だけを残して文芸部室を去ってから、一週間が過ぎていた。急に現れた怠惰な顧問・月読リノ先生が置いていった部誌制作のデータ入りUSBメモリと、僕と天野光が共同で書いてい...