2026-08

ZINE・住民のつぶやき

27. ブレーキという名の精巧さ|化野環古生物学小日記

昼食のために立ち寄った食堂のテレビが、ノーベル賞の話題を報じていた。免疫の過剰な働きを抑える「制御性T細胞」の発見。長年の研究がようやく評価された形だが、アナウンサーは、免疫を「体を守る軍隊」と表現し、その暴走を止めるブレーキ役が見つかった...
箱庭コント

箱庭コント261「千夏の理屈」

【登場人物】菜箸 千夏:図書館主任司書。几帳面で秩序を重んじるが、自分のミスを認めたくないあまり屁理屈をこねる。菜箸 かな:千夏の姉。フリーランスの翻訳家。冷静に妹の言動を突っ込む。古河佐助:古書肆。移動図書館の常連客でもある。「元忍者」と...
ZINE・住民のつぶやき

化野環「古生物学小日記」(21話以降)

21〜30話21. 花壇の大量絶滅  大学の花壇で植物が植え替えられている。これは暦というトリガーによる人工的な大量絶滅イベントだ。自然界のゆっくりとした遷移とは異なり、人間の美意識によって選ばれた種が即座に導入され、システムが強制リセット...
ZINE・住民のつぶやき

26. 呼気の化石化条件|化野環古生物学小日記

夕刻、暖房の効いた図書館から外に出ると、肌寒い空気が身を包んだ。昨日までの晴れ間が嘘のように、空は厚い雲に覆われている。無意識に息を吐き出すと、今シーズン初めて、それが白い雲になるのを見た。人々はこれを冬の訪れといった、季節的な記号として認...
箱庭コント

箱庭コント262「百町森をめぐる冒険」

[読むシットコム・コント台本]村上春樹作品と『くまのプーさん』に共通する独特の脱線と会話のリズム。流行という上着を脱いだ文章の骨格や、不条理から心を守る「精神的シェルター」の役割とは?端正な翻訳日本語の手触りを紐解く文芸批評コント。作・千早亭小倉