箱庭コント「ごめんなすって」

【登場人物】
新浪 いちご
:論理の孤島。
おはぎはん:ライター。面白そうと思ったら即行動する現場主義のジャーナリスト魂を持つ。

【場面設定】
昼下がりの克枯町商店街。特売日で混み合うスーパー「人生」の前。

(スーパーの前で、おはぎはんが取材メモを書いている。そこへ、買い物袋を提げた新浪いちごが、混雑する客の間を右手を縦に振る「手刀」のポーズでスッと抜け出してくる)

おはぎはん:いちごちゃん、今の動き、完全に関西のおっちゃんやん! 「すんまへん、通ります」言うて手ぇ縦に振るやつ!

新浪いちご:(無表情のまま立ち止まる)おっちゃん、という不確定な概念には該当しません。これは、前方空間における空気抵抗を最小化し、他個体との接触による予測不能なエントロピーの増大を回避するための最適姿勢です。

おはぎはん:いや、手刀切っとったやん。めっちゃ綺麗に。

いちご:手首の角度は進行方向に対して平行に保ちました。これにより、他者の視線を物理的に分断し、「私がこの軌道を直進する」という絶対的なベクトルを視覚情報として相手の脳に強制入力しています。謝罪の意図はありません。

おはぎはん:ただの「ごめんやで」やないか! なんや、その無駄に高度な理屈は! ほな、うちもちょっと最適化してみるわ。

(おはぎはん、右手を縦にし、大股でスーパーの入り口へ向かう)

おはぎはん:すんまへーん! ちょっと通してやー!

いちご:(その背中を見る)歩幅と声量が大きすぎます。それでは無駄な摩擦熱が生じて、周囲の反発を招くだけです。

(スーパーの入り口付近で、オーナーの郷田剛とぶつかりそうになるおはぎはんの「おっと!」という声が聞こえる)

いちご:実証されました。

(幕)

作・千早亭小倉

*ここあん村および本サイトに掲載している小説類の設定はフィクションです。
*The articles on this site were written by a human, peppered with AI.
*無断転載禁止 Copyright © 2025 千早亭小倉|箱庭コントを紡ぐ 話紡庵レーベル All Rights Reserved.

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