おはぎはん

箱庭小説(掌編・スケッチ)

箱庭小説「101人のオーディション」

映画館「夕日座」のロビー。薄曇りの光が磨りガラスを通して床に落ちている。乾いた木と機械油の匂い。柱時計の振り子が規則正しく刻む音。「支配人、これ見てくださいよ。機械が勝手に作った動画なんですけど。すごいんですわ」おはぎはんは受付カウンターの...
定点観測

9月29日のここあん村|定点観測

06:35|boulangerie KONEKOの店先秋雨の匂いが漂う早朝、石窯の熱気で赤ら顔の生地こね子(35歳・パン職人)が店先へ木製看板を運び出す。しっとり濡れた路地を見つめ、たくましく腕組みをした。「この湿気、生地にはちょうどええわ...
箱庭コント

箱庭コント342「ショパンのリボン」

【登場人物】おはぎはん:22歳。フリーライター兼劇団員。泥跳ねのスニーカーと大荷物を抱え、現場取材と空腹に追われる生活感の塊。相手の懐へ遠慮なく踏み込む。ショパン:ここあん高校に通う16歳。仕立てのよい上着を着た小太りの少年。物事の調和や秩...
箱庭小説(掌編・スケッチ)

箱庭小説「おはぎはんの正義」

梅雨の晴れ間というのは、夏の始まりを告げる気まぐれな祝祭だ。アスファルトから陽炎が立ちのぼり、昨日までの雨の名残をすっかり乾かしてしまう。風は湿り気をたっぷりと含んでねばつき、網戸を通り抜けては、部屋の中の空気とゆるやかに混ざり合った。台所...
箱庭コント

箱庭コント318「ちがう男に魅せられて?」

[読むシットコム・コント台本]名曲『魅せられて』の主人公は男の腕マニア?「腕の中で別の男の腕を見る」という歌詞の物理的矛盾を解明するため、徒然士とおはぎはんは男子学生恋流波陽を巻き込み実証実験を開始。作・千早亭小倉