ものがたり

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移動図書館日記(82)

忘れた分量と自由な味移動図書館司書・菜箸千夏の日記。漬物の分量を忘れた女性が語る、一人きりの食卓の自由。失ったものを数えず、自分の手の中にある時間を最高の味に整えようとするしたたかな強さ。[移動図書館/高齢者/料理]
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移動図書館日記(81)

同じ空の下の絵葉書移動図書館司書・菜箸千夏の日記。島根を旅するボランティアの中野文からの絵葉書。「同じ空の下でつながっている」という穏やかな確信が、離れた誰かと誰かを結ぶロマコメ号の役割と重なる。[移動図書館/手紙/絆]
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掌編「それぞれの鎧」

ここあん図書館二階、かつての一般図書フロアは、菜箸千夏にとって、完璧に調律された楽器のような場所だった。背表紙の高さ、色合い、日本十進分類法の聖なる数字。そのすべてがミリ単位で管理され、静謐な調和を奏でる。彼女は書架の端から端までを検分し、...
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【外部】掌編(ものがたり屋)

「ものがたりをひとつだけ」人気のケーキ店主・丹波りんが、「あなたの物語、聴きます」と掲げる女、真田まるの営む古民家を訪れる。りんは、自分が作った漆黒のムースを「一番の毒」としてまるに味見させる。まるは、その味が純粋な心を破壊した「罪の味」だ...
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掌編「泥の塔」

エレベーターホールの床に、乾いてひび割れた泥の染みが、所在なく広がっていた。ここを遊び場にしている悪童たちの残したものか、あるいは大災害の後に隆起したこの塔そのものから染み出た泥なのか、緑野翠村長にもわからない。天井の照明はいくつか間引かれ...