糠森ひな(地層4)

箱庭小説(掌編・スケッチ)

箱庭小説「海辺のフェルマータ」

過保護な母との口論は、苦手な柔軟剤の香りが楽譜に移るというひどくくだらない理由から始まった。苛立ちを鎮めるために実家を飛び出し、一人で酒を煽った。東北のオーケストラの打ち上げで鍛えられたという自負は、ここあん村の空気がもたらす気の緩みであっ...
箱庭コント

箱庭コント149「商店会長はトニック派」

【登場人物】糠森 ひな:東北のオーケストラでソリストとして活躍するピアニスト。完璧主義ゆえに、耳と指を過剰防衛している。両手には薄手のシルク手袋。郷田 剛:克枯町商店街会長であり、スーパー「人生」のオーナー。声が大きく自己顕示欲が強い。渡良...
箱庭小説(掌編・スケッチ)

箱庭小説「寄港地のピアニスト」|「物語の寄港地」シリーズ

ここあん村・寄港地シリーズ。ブックカフェ「シズカ」に、ピアニストとして歩む糠森ひなが訪れる。かつて雨の中で出会った氷上静から贈られた「素晴らしい演奏だった」という静かな賛辞。調和に満ちた静と小春の日常の中で、過去の危うい記憶が穏やかに昇華されていく心温まる物語。