菜箸千夏

WORKS

千早亭小倉著『移動図書館のものがたり』

宮沢賢治が描いたイーハトヴのように、現実の東京の境界域でありながら作者の心象スケッチの中に広がる架空の地「ここあん村」。本書は、この不思議な村と、かつて大きな震災を経験した東北の沿岸部という二つの土地を舞台に、「移動図書館」というひとつの乗...
箱庭小説(掌編・スケッチ)

箱庭小説「繕われた地図」|「物語の寄港地」シリーズ

ここあん村・寄港地シリーズ。完璧な状態の資料を求め、図書館員の菜箸千夏がブックカフェ「シズカ」を訪れる。手渡されたのは落書きや補修跡の残る古い鳥瞰絵図だった。傷や痕跡こそが地図の生きた時間だと語る小春の言葉に触れ、秩序に固執していた千夏の心が解き放たれる感動物語。
箱庭小説(掌編・スケッチ)

箱庭コント309「『安心』の定義」

登場人物:菜箸千夏、菜箸かな菜箸千夏(28歳・図書館司書)は、分厚い国語辞典のページを指で挟んだまま、小さくつぶやいた。「……『安心』の語釈が、冷たすぎる」千夏の姉かな(34歳・翻訳家)は、手元の洋書から視線を上げずに答える。「辞書はカウン...