ものがたり

ものがたり

15. 擬化石の風景

日常に潜む「地層」と「化石」を見つける思考の実験。ある古生物学徒の視点で綴られた、世界を新たな解像度で切り取るための思索的な日記。「見ること」の本当の意味を問い直す、記録の断片をお楽しみください。構成・千早亭小倉
ものがたり

第18話「幸福の解剖結果」

翌日の放課後。僕の主観だが、文芸部の部室の空気は、昨日よりも明らかに密度が高かった。僕の手には、一晩かけて推敲を重ねた、天野光に関する観察レポートが握られている。その数ページが、僕が今まで提出したどの原稿よりも重く感じられた。部室の指定席で...
ものがたり

コント「乗車権の剰余と十円玉のドラマ」

【登場人物】氷上 静:ここあん大学哲学科講師。理性の信奉者。世界のすべてを論理で解体しようとする。恋流波 陽(ハル):ここあん大学の学生。飄々とした態度で、静の論理の隙間に無邪気に入っていく。【場面設定】ここあん鉄道の駅、改札前の券売機。 ...
ものがたり

コント「トランスフォームする傷と威厳」

【登場人物】恋流波 陽(はる):大学生。父親に対しては無意識に敬語を使ってしまうなど、微妙な距離感がある。恋流波 東彦:陽の父。観察眼は鋭いが、自分のこととなると途端にポンコツになる。ホッピーが好き。【場面設定】居酒屋「ここきた」。カウンタ...
ものがたり

掌編「深海と太陽、交差する応接室」

『水底に差す月光の輝きをキミはまだ知らない。』において、論理の鎧を纏う大学講師・氷上静と、彼女の孤独な世界に迷い込んだ学生・恋流波陽(はる)が繰り広げた、平均台を駆け抜けるような危うい疑似恋愛。本作は、その関係が不器用な形で破綻した後の出来...