高島雅也

箱庭小説(掌編・スケッチ)

箱庭小説「泥の塔」

エレベーターホールの床に、乾いてひび割れた泥の染みが、所在なく広がっていた。ここを遊び場にしている悪童たちの残したものか、あるいは大災害の後に隆起したこの塔そのものから染み出た泥なのか、緑野翠村長にもわからない。天井の照明はいくつか間引かれ...
箱庭小説(掌編・スケッチ)

移動図書館日記(78)

霧の晴れた場所へ移動図書館司書・菜箸千夏の日記。長い霧が晴れ、家を直し始めた「霧のところ」への運行。家という居場所を綴じ直す人々の日常に、本という小さな目印をそっと置いていくひたむきな決意。[移動図書館/復興/日常]
箱庭小説(掌編・スケッチ)

移動図書館日記(75)

硬いパンを噛み締める移動図書館司書・菜箸千夏の日記。「愚直に」という高島課長の言葉を「硬いパン」に例える真木先輩。結果がすぐに出なくても、未来に向かって種を蒔き続ける移動図書館の忍耐と希望。[移動図書館/司書/希望]
箱庭小説(掌編・スケッチ)

移動図書館日記(65)

図書館の原点移動図書館司書・菜箸千夏の日記。県外の図書館員から寄せられた感動の声。崇高な理念ではなく、ただ切実な生活の一部として本を届ける、私たちの揺るぎない「普通」について。[移動図書館/司書/日常]
箱庭小説(掌編・スケッチ)

移動図書館日記(61)

遠野からの旅人 移動図書館司書・菜箸千夏の日記。かつて東北でボランティアをしていた中野文との出会い。多くを語らずとも同じ重さを知る先輩の静かな声が、淀んだ空気を入れ替えていく。[移動図書館/ボランティア/共振]