箱庭コント 箱庭コント60「プロローグの停滞」 【登場人物】ギオン(別名、オノマトペ王子):すべてを擬音で処理する感覚派。イチギョウ(別名、名言スナイパー):会話に唐突に金言をねじ込む哲学派。ケイヨウ(別名、修辞の貴公子):現象を病的なまでに長く、詩的に描写する耽美主義者。【場面設定】こ... 2026.02.27 箱庭コント
箱庭コント 箱庭コント93「大遅刻の免罪符」 ここあん鉄道3丁目駅の改札口で男が泣き叫んでいた。「火曜だ! 俺が池袋を出たのは火曜の朝なんだ! なんで金曜になってるんだよ!」握りしめたスマホの画面には、取引先からの不在着信が五十数件。男のネクタイは歪み、目は血走っている。ここあん鉄道の... 2026.02.21 箱庭コント
箱庭小説 エッセー「上がり屋敷駅、数分間の永遠」鉄美鈴 執筆:鉄 美鈴(ここあん鉄道・駅員)三丁目駅のホームに立つと、いつも肺の奥が少しだけチリつく。四時四分。一日に二回訪れる、針と針が重なるその瞬間に、M線の池袋行きが滑り込んでくる。この電車は、村と外の世界を繋ぐ唯一の細い糸だ。けれど、その糸... 2026.01.21 箱庭小説
箱庭小説 箱庭小説「3丁目駅、鉄美鈴の夜」 23時11分。赤色灯がふたつ、暗がりの奥へと吸い込まれていった。M鉄道からここあん鉄道へ乗り入れる、3丁目駅経由タウン駅行き最終列車。ここあん鉄道職員の鉄美鈴くろがねみすずはホームの端で、背筋を真っすぐに伸ばして立っていた。右手の指をピンと... 2026.01.07 箱庭小説