地層3

地層3:停滞と波紋の時代(モラトリアムの層)

未知の感染症によって世界が静かに停滞していた令和の初めから、架空の大災害「あのこと」によって村の日常が強制終了する直前までを描く層です。氷上静と恋流波陽の危うい疑似恋愛、若者たちによるリメイク映画の自主制作、糠森ひなと酔酔亭馬楼の不器用な交流など、閉塞感の中でもがく住人たちの群像劇が展開されます。それぞれの人間関係が限界まで張り詰め、恋愛や自己愛が複雑に入り組むドタバタ喜劇としての側面も持ち合わせています。この鬱屈しつつも平穏だったモラトリアムの時代は、未曾有の災害の直撃によって唐突に破壊され、次のフェーズへと移行することになります。

参考資料

酔酔亭馬楼シリーズに登場する落語の演目

箱庭コントの郷「ここあん村」において、まさに落語とコントの中の人といえる「酔酔亭馬楼」のコントやものがたり内に出てくるに落語の演目と、その文脈をまとめました。「芝浜」 糠森ひなが馬楼の不格好な「芝浜」のサゲ「夢になるといけねぇ」を聞き、亡き...
ものがたり

箱庭小説「柳とハリボテ」

これは、鳥瞰学園ここあん高校の絶対的支配者・黒崎文が、まだ文芸部部長になる前の物語。彼女がなぜ「ここあん高校」を選び、何を背負ってあの部室に座っているのか。そのすべては、祖父の言葉と一つの決断から始まっていた。1.それぞれの悩みカシャリ、と...
ものがたり

掌編「深海と太陽、交差する応接室」

『水底に差す月光の輝きをキミはまだ知らない。』において、論理の鎧を纏う大学講師・氷上静と、彼女の孤独な世界に迷い込んだ学生・恋流波陽(はる)が繰り広げた、平均台を駆け抜けるような危うい疑似恋愛。本作は、その関係が不器用な形で破綻した後の出来...
ものがたり

箱庭コント「人生ってなんだ?」

【登場人物】酔酔亭馬楼:二ツ目の落語家。いつものように泥酔している。客A:真面目そうなサラリーマン。客B:冷めた目のOL。【場面設定】居酒屋「あちこち」。カウンターに馬楼、客A、客Bが座っている。(トイレから出てきた馬楼。千鳥足でカウンター...
ものがたり

箱庭スケッチ「ここあんタワー竣工式」

これはまだ、ここあん村が「あのこと」を経験するずっと前のこと。静寂の中、ここあん村長の緑野翠が壇上に立つ。ビリジアンのドレスが、朝日に映える。彼女は、ゆっくりと息を吸い込み、そして――。「村長の緑野翠でございます。上から読んでもミドリノミド...