2026-01

箱庭小説

「安心」の定義

登場人物:菜箸千夏、菜箸かな菜箸千夏(28歳・図書館司書)は、分厚い国語辞典のページを指で挟んだまま、小さくつぶやいた。「……『安心』の語釈が、冷たすぎる」千夏の姉かな(34歳・翻訳家)は、手元の洋書から視線を上げずに答える。「辞書はカウン...
箱庭小説

移動図書館日記(4)「柱時計の音」

【移動図書館/図書館が舞台の小説】司書・菜箸千夏の日記。手書きの貸出ノートはこの村の歴史書だ。駅長さんの妻だった女性が語る「柱時計の音」。定性的記録の大切さ。作・千早亭小倉 紹介図書:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』
箱庭小説

物語の「仕掛け」を味わうための短期集中講義【第1回】「世界の「境界」を溶かす技術」

こんばんは、千早亭小倉です。私たちは小説を読みながら、「なんとなく面白い」で満足しがちですが、作者が「なぜ」その表現を選んだのか、その「仕掛け」に気づくことで、読書体験はゲームのようにスリリングなものに変わります。それでは、物語の「仕掛け」...
箱庭小説

移動図書館日記(3)「閉じられていない絵本」

【移動図書館/図書館が舞台の小説】図書館司書・菜箸千夏の日記。返却された絵本のわずかな隙間は「息継ぎ」のための通路。厳格な高島副館長が見せた意外な反応と、守られた5ミリの物語。作・千早亭小倉 紹介図書:ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』
箱庭コント

箱庭コント「文房具トリオ」

登場人物:ぺらいちまい、しあんまぜんた、がらすきらいぶ築40年、風呂なしアパート。湿気た畳の上で、三人の「表現者」が睨み合っていた。「僕は、ぺらいちまい(23歳・脚本家志望)。あだ名は『えんぴつ』だ。世界をト書きで記述するために生きている」...