2026-08

箱庭小説(掌編・スケッチ)

箱庭ラノベ|第29話 怠惰の魔女と最後の言葉|ここあん高校文芸部

数分後、部室のドアが億劫そうに開かれた。開くのが「面倒くさい」とでも言うように。そこに立っていたのは、僕の想像をあらゆる意味で裏切る人物だった。よれよれのジャージ。鳥の巣のようにボサボサの黒髪。美しい造形をしているはずなのに、その全てを台無...
箱庭コント

箱庭コント265「安カップお湯が鳴るなり干物箱」|地層3

[読むシットコム・コント台本]箱庭世界「ここあん村」のアパート「干物箱」が舞台。百均マグカップにお湯を注いだ音をめぐり、お調子者の二つ目の落語家・馬楼とマイペースな代弾きピアニスト・糠森ひなが繰り広げる、少しズレた日常の掛け合い。作・千早亭小倉
箱庭コント

箱庭コント266「路傍の石」

[読むシットコム・コント台本]箱庭世界「ここあん村」の月が落ちない理由を巡るロマンと現実の食い違い。山本有三『路傍の石』のエピソードをきっかけに、噛み合わない会話と道端の石の価値を巡るズレた熱弁が繰り広げられる日常シットコム。作・千早亭小倉
ZINE・住民のつぶやき

24. 加速された侵食モデル|化野環古生物学小日記

窓ガラスを、ひっきりなしに雨粒が叩いている。外に出ることはできそうにない。こういう日は、定点観測に徹するに限る。私の部屋の窓からは、3種類の異なる地表が見える。ひとつは、この窓ガラスそのもの。ひとつは、目の前の車道のアスファルト。そしてもう...
ZINE・住民のつぶやき

23. 書架のタフォノミー|化野環古生物学小日記

金曜の午後は、図書館の地下書庫で過ごすことが多い。古い論文を参照するため、バックナンバーが並ぶ巨大な書架の間を歩く。製本されたジャーナルの背表紙には、刊行年が刻印されている。1970, 1971, 1972……。一見すると、これは完璧に連続...