ZINE・住民のつぶやき

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28. 絶滅した自動販売機|化野環古生物学小日記

古い講義棟の、あまり使われていない連絡通路を通り抜けた時、隅に埃をかぶって佇む一台の自動販売機が目に入った。電源は抜かれ、色褪せた「調整中」の貼り紙が、その機能が永久に停止していることを物語っている。これは単なる「故障」ではない。一つの「種...
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27. ブレーキという名の精巧さ|化野環古生物学小日記

昼食のために立ち寄った食堂のテレビが、ノーベル賞の話題を報じていた。免疫の過剰な働きを抑える「制御性T細胞」の発見。長年の研究がようやく評価された形だが、アナウンサーは、免疫を「体を守る軍隊」と表現し、その暴走を止めるブレーキ役が見つかった...
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化野環「古生物学小日記」(21話以降)

21〜30話21. 花壇の大量絶滅  大学の花壇で植物が植え替えられている。これは暦というトリガーによる人工的な大量絶滅イベントだ。自然界のゆっくりとした遷移とは異なり、人間の美意識によって選ばれた種が即座に導入され、システムが強制リセット...
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26. 呼気の化石化条件|化野環古生物学小日記

夕刻、暖房の効いた図書館から外に出ると、肌寒い空気が身を包んだ。昨日までの晴れ間が嘘のように、空は厚い雲に覆われている。無意識に息を吐き出すと、今シーズン初めて、それが白い雲になるのを見た。人々はこれを冬の訪れといった、季節的な記号として認...
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25. 極めて遅い風化|化野環古生物学小日記

夜明け間近。昨日の雨が洗い流した空気は、澄み切っている。開け放した窓の薄明かりを感じながら、頭にふと浮かんだ言葉を反芻する。「窓ガラスは、地質学的な変化が全く起こらない、最も単純な地表のモデルなのですね」私は改めて窓ガラスに目を向けた。昨日...