箱庭小説

ものがたり

箱庭スケッチ「変な癖と当てずっぽう」(対話劇)

椎名町三丁目の雑居ビルにある、編集プロダクション「ぽんちょ」。昨日からの徹夜作業が、ようやくトンネルを抜けたところだった。くたびれたように鳴るコピー機の駆動音を割って、終わりが見えてやけくそ気味にキーボードを叩く音が、朝のオフィスに響いてい...
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箱庭小説「呼応」

午後五時の時報がここあん村に響き渡ると、佐野健は手元のキューシートから一度目を離した。コミュニティFMのスタジオ内は、秒単位で管理された規律の世界だ。無音検知ユニットのランプは正常な緑色を灯し、生放送のインフラは完璧に維持されている。デッド...
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箱庭小説「透明な名前と黙字のp」

ここあん湖畔のブックカフェ「シズカ」を舞台にする「物語の寄港地」シリーズの一編。【登場人物】氷上 静:ブックカフェ「シズカ」オーナー。現代思想家。相手が15歳であっても決して子供扱いせず、対等な観測者として接する。鴨下 栞:ここあん高校の生...
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スケッチ「約束ノート」

【登場人物】恋流波 陽(ハル) :ここあん大学の学生。編集プロダクション「ぽんちょ」の元アルバイト。真田 まる :「ものがたり屋」店主。他者の物語を預かる女性。【場面設定】夜。椎名町三丁目の路地裏、「ものがたり屋」。カウンターにはハルが座っ...
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箱庭小説「凪の来訪者」

ここあん湖畔のブックカフェ「シズカ」を舞台にする「物語の寄港地」シリーズの一編。7月の陽光は、ブックカフェ「シズカ」の大きな窓ガラスを透過し、磨かれた床に鋭角な光の四角形を描き出していた。その光の領域を避けるように、客は二人、それぞれの時間...