【あらすじ】1980年代(地層1)。早稲田大学近くのスナック「灯台」のカウンターで、若き日のはるひこ(恋流波東彦)は、アルバイトの海(後の海ママ)に、高校時代のスクールカーストにまつわる不条理な体験を語る。集団の中では自分を無視するボス格の生徒が、一対一になると親しげに接してくる謎。大学という一万人規模の匿名社会に安堵する東彦に対し、海は彼が持つ「相手をフラットに『観察』する」性質を鋭く指摘する。
悪意のない観察眼ゆえに無自覚に他者の自尊心を脅かしてしまう東彦の不器用さと、妖艶な観察者へと成長していく海の原型が静かに交差するスナックでの一夜。のちの息子・陽へと受け継がれる「業」の始まりの記録。




