箱庭コント「ごろんでぷしゃー」

【登場人物】
月読 リノ
:ここあん高校国語科教師。文芸部顧問。
額 フチ子:音巴里荘に暮らす画家。

【場面設定】
家電量販店「ここあん電気」のマッサージチェア体験コーナーあたり。

(マッサージチェアの強烈な首すじ揉み機能が作動し、月読リノの体が前傾する)

月読リノ:あがっ!

(リノのジャージの首元あたりから丸いものが転がり落ち、通りかかった額フチ子の前をコロコロと横切る)

額フチ子:首があああ! 首がもげたわああ!

(フチ子、ショックのあまり白目を剥いて倒れ込み、口から大量の赤い液体を激しく吹き出す)

リノ:(床に伏せたまま落ち着いた声で)叫びながらトマトジュース飲むのやめてもらえますか。服にはねるので。

フチ子:(口元を赤く染めながら)あんた首がないのよ! 胴体だけで喋らないで! こわい!

リノ:首はここにあります。(ジャージの乱れを整える)ジャージのフードが大きすぎて、頭がすっぽり服の中に引っ込んだだけです。床に転がってるのは、さっき買ったキャベツです。

フチ子:キャベツ? え、じゃあ何、あたいはキャベツを見て勝手に絶望してトマトジュースを吹き散らかしたってこと?

調理家電音声:ピロン。新鮮なキャベツとトマトを検知しました。

(隣の調理家具売り場から声がする)

調理家電音声:これより「キャベツのトマト煮」の調理を実演いたします。

フチ子:あたいの絶望と惨劇を勝手にレシピに組み込むんじゃないわよ!

リノ:ちょうどお腹がすいてたので、そのまま美味しく煮込んでおいてください。

フチ子:人が噴いたジュースを使った料理を、よく食べる気になるわね。

調理家電音声:それもそうです。きれいなトマトジュースを提供してください。

フチ子:あなたに言ってない!

リノ:きれいなのをね。よしなに。

(幕)

作・千早亭小倉

[コント台本・小説450本以上]

主な舞台は、椎名町三丁目から広がる箱庭「ここあん村」。箱庭コント作家・千早亭小倉の手による、どこか懐かしい日常劇やクスッと笑えるコメディ、沁みる掌編を絶賛公開中です。これからも「読むシットコム」の世界を追究していきます。
*ここあん村および本サイトに掲載している小説類の設定はフィクションです。 *The articles on this site were written by a human, peppered with AI. *無断転載禁止 Copyright © 2025 千早亭小倉|箱庭コントを紡ぐ 話紡庵レーベル All Rights Reserved.

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