ここあん大学早稲田サテライトキャンパス、3号館地下1階にある、偏屈な大学院生たちの吹き溜まり(知の梁山泊)です。壁の黒板には数式やカオスな落書きが地層のように重なり、出所不明の革張りソファやポンコツAIスピーカーが鎮座しています。
自然科学や社会科学をこじらせた院生たちが、安いコーヒーを飲みながら日々不毛なマウント合戦を繰り広げる、セキュリティは皆無ですがWi-Fiだけは最強の安息地です。

チームA:自然科学こじらせ系
花野 環奈/M2 古生物学 万物を数億年単位のスケールで捉えるため、日常の遅刻や汚部屋を「人類史の誤差」「地層」と無邪気に言い張ります。ラウンジを地質学用語の「アンコンフォーミティ(不整合)」と呼んでいます。
- 平泉 慧/M2 理論物理学 万物を「法則」と「数学」に還元し、感情や偶然性をノイズとして極端に嫌います。エネルギー保存の法則を守るため無駄な動きを徹底的に拒む省エネ至上主義者で、この場所を「あの空間」や「定例集会所」と無味乾燥に呼びます。
- 篠田 律/M1 分子系統学 世界を「情報」と「分岐」の連続体として把握し、会話を聞きながら系統樹を空中に指でなぞる癖があります。膨大なデータに基づく徹底的なネットストーカー気質を持ち、ラウンジを「ハブ」と呼んでいます。
チームB:社会科学こじらせ系
- 金田 エリ /M1 進化心理学 自らの強欲を「生物学的な生存戦略」や「ナッシュ均衡」で正当化する強欲クイーンです。他者からの搾取を「富の適正な再分配」と言い換えます。
- 権田 猛 /M1 技術地政学 日常の些細な出来事を地政学的なうんちくに置き換える、役に立つのか立たないのか境界を突っ走り続ける。常にミリタリージャケットを着て何かに備えていますが、叔父(郷田剛)には頭が上がらずスーパーの特売日でこき使われています。
- 古暮 賢人 /M1 複雑系科学 ラーメン屋の行列を見ただけで「暴動の臨界点」と怯えて逃げ出すほどの極度の小心者です。いまは、宇宙にはまっており、自慢のカオス理論を、何でも宇宙に結びつけて話し出すため、仲間からは「専攻変えたら?」「もはや複雑系じゃないじゃん」と突っ込まれています。
チームC:芸術系(異物にして触媒)
- 綾小路 幹/M1 音楽美学 理系女子たちの高度な議論の内容は一文字も理解していませんが、議論の「構造の美しさ」だけを感じ取り、的外れな音楽用語で要約してくる愛すべき「エラー訂正機能」です。ラウンジを「カデンツァ」と呼びますが、致命的な音痴です。
- 共 飛鳥 /M1 声楽(客員) 幹の幼馴染で、某音大から入り浸る歌姫。ストレスが臨界点に達すると、煌びやかなドレス姿のまま自前の出刃包丁を取り出し、鮮魚を高速で三枚におろす奇行に走ります。その魚のアラは、ラウンジ住人たちの貴重なタンパク源となっています。








