ここあん図書館

箱庭小説(掌編・スケッチ)

箱庭小説「弱論争」

休館日。静寂に包まれたここあん村立図書館内。2階フロアの隅にある作業机は、除籍された本の山が地層のように連なり、さながら発掘現場のようだった。年に一度のブックリサイクル市に向け、役目を終えた大量の蔵書を来場者に気持ちよく譲り渡すための、地道...
定点観測

9月29日のここあん村|定点観測

06:35|boulangerie KONEKOの店先秋雨の匂いが漂う早朝、石窯の熱気で赤ら顔の生地こね子(35歳・パン職人)が店先へ木製看板を運び出す。しっとり濡れた路地を見つめ、たくましく腕組みをした。「この湿気、生地にはちょうどええわ...
箱庭コント

箱庭コント332「40年前の落とし蓋」

【登場人物】中野 あやね:中野小春の母、楓子の祖母。静かで芯の強い女性。ラジオさん(仮称):図書館の返却ポスト脇に置かれた、レトロな木製真空管ラジオ。【場面設定】夜。静まり返ったここあん村立図書館の裏口。返却ポストの脇に、艶やかに磨かれた木...
箱庭コント

箱庭コント320「じひしんちょうの11日」

[読むシットコム・コント台本]11日はなぜ「じゅういちにち」と呼ぶのか?ここあん村立図書館で交わされる脱線会話劇。元お嬢様のキイロ、天然なジカク、真面目な司書千夏が繰り広げる、野鳥「ジュウイチ(慈悲心鳥)」を巡る掛け合い。作・千早亭小倉
箱庭コント

箱庭コント274「公平な88円」

[読むシットコム・コント台本]ここあん図書館が舞台。88円のネジ購入を巡り、屁理屈を並べて決裁を拒む完璧主義の高島雅也館長に対し、主任司書の菜箸千夏が痛快な正論で立ち向かう。公平性と人件費の損失をめぐる、軽快な会話劇。作・千早亭小倉