ブックカフェ

箱庭小説

「物語の寄港地」シリーズ

劇的な事件や騒がしい展開はありません。一冊の本を通じて過去と向き合い、自分自身を整えていく、穏やかで誠実な交流が綴られます。人生の途上でふと立ち寄る、寄港地のような温かさと静寂に満ちた掌編シリーズです。小春が本を直し、静が客の言葉に耳を傾け...
箱庭小説

箱庭スケッチ「がたがたいうテーブル」

湖畔のブックカフェを舞台に、哲学者と翻訳家が「理想的な対話」の可能性を論じる。ハーバーマスの死をきっかけに揺らぐ理性と、不完全な世界で正気を保つための知的なやり取りを切り取ったショートストーリー。
箱庭コント

箱庭コント87−89「赤い糸の窓」

【登場人物】中野小春(35):ブックカフェの店主。使い込まれたものを直して使うのが好き。空野円(34):大学講師。物事に執着せず、移ろいゆく様子を眺めている。【場面設定】午後の陽が差し込むここあん湖畔のブックカフェ「シズカ」。カウンターで小...
箱庭コント

箱庭コント246「湖と池と沼の存在論」

コントパターン:6「賢者の自壊」【登場人物】氷上 静:ここあん湖畔のブックカフェ「シズカ」オーナー。あらゆる事象を言葉で分析しようとする現代思想家。中野 小春:「シズカ」の共同オーナー。静のパートナー。物事の本質を、言葉以前の「気配」で感じ...
箱庭コント

箱庭コント7「未定義のコースター」

ブックカフェシズカの朝。マホガニーのカウンター。静が、一分の狂いもなく磨き上げるその滑らかな銀河に、それは「こぼれて」いた。液体ではない。漆黒の絵具を垂らしたような、しかし奥行きだけが無限に続く「空間の剥離」だ。「……事象の地平面の漏出? ...