メタ

ZINE・住民のつぶやき

移動図書館日記(121)

これは、日記という名を借りた私の記憶。巡回先の広場にロマコメ号を停め、設営を済ませる。いつもの利用者さんとのやり取り。返却された本を入れるコンテナを整理する。利用者の姿がいったん途切れる。必ずといっていいほど訪れる、この一瞬が好きだ。ひと息...
ZINE・住民のつぶやき

29. 自己組織化する骨格|化野環古生物学小日記

電車の窓ガラスを流れる雨粒が、別の水滴とぶつかって一つの太い筋を作り、滑り落ちていく。外力ではなく、水自身の性質によって形がまとまっていくその様子をぼんやりと追っているうちに、頭の片隅にあった記憶が蘇る。ノーベル化学賞のニュース、「金属有機...
ZINE・住民のつぶやき

28. 絶滅した自動販売機|化野環古生物学小日記

古い講義棟の、あまり使われていない連絡通路を通り抜けた時、隅に埃をかぶって佇む一台の自動販売機が目に入った。電源は抜かれ、色褪せた「調整中」の貼り紙が、その機能が永久に停止していることを物語っている。これは単なる「故障」ではない。一つの「種...
ZINE・住民のつぶやき

27. ブレーキという名の精巧さ|化野環古生物学小日記

昼食のために立ち寄った食堂のテレビが、ノーベル賞の話題を報じていた。免疫の過剰な働きを抑える「制御性T細胞」の発見。長年の研究がようやく評価された形だが、アナウンサーは、免疫を「体を守る軍隊」と表現し、その暴走を止めるブレーキ役が見つかった...
ZINE・住民のつぶやき

化野環「古生物学小日記」(21話以降)

21〜30話21. 花壇の大量絶滅  大学の花壇で植物が植え替えられている。これは暦というトリガーによる人工的な大量絶滅イベントだ。自然界のゆっくりとした遷移とは異なり、人間の美意識によって選ばれた種が即座に導入され、システムが強制リセット...