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ZINE・住民のつぶやき

31. 記録される確率|化野環古生物学小日記

雨が降り続いている。研究室の窓外に置かれた植木鉢の、まだ何も植えられていない区画。露出した黒い土の表面に、無数の小さなクレーターが、生成と消滅を繰り返している。これは、雨滴痕(Raindrop imprints)と呼ばれる生痕化石が形成され...
ZINE・住民のつぶやき

30. 人間中心主義という座標系|化野環古生物学小日記

「台風って、十月になってもこんなに日本に来ていたかな」という一文で始まる、メッセージを受け取った。送信者は、自身の記憶の不確かさと、日本という島国を中心にして気象現象を捉える思考の偏りを、自ら省察している。「~かな」という疑問は、個人の持つ...
ZINE・住民のつぶやき

移動図書館日記(122)

これは、日記という名を借りた私の記憶。ロマコメ号の低いカウンターの上に、文庫本が2冊置かれた。手前に立つおとうさんから本を受け取り、裏面のバーコードにスキャナーをあてる。ピッ、ピッ、と2度、電子音が鳴った。表紙に並んだ著者名を見て、私は顔を...
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移動図書館日記(121)

これは、日記という名を借りた私の記憶。巡回先の広場にロマコメ号を停め、設営を済ませる。いつもの利用者さんとのやり取り。返却された本を入れるコンテナを整理する。利用者の姿がいったん途切れる。必ずといっていいほど訪れる、この一瞬が好きだ。ひと息...
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29. 自己組織化する骨格|化野環古生物学小日記

電車の窓ガラスを流れる雨粒が、別の水滴とぶつかって一つの太い筋を作り、滑り落ちていく。外力ではなく、水自身の性質によって形がまとまっていくその様子をぼんやりと追っているうちに、頭の片隅にあった記憶が蘇る。ノーベル化学賞のニュース、「金属有機...