真田まる

箱庭小説(掌編・スケッチ)

箱庭小説「焚くは落ち葉か筑前煮」

これはまだ、真田まるが「ものがたり屋」を開く前のこと。彼女とおはぎはんが、互いにフリーの取材ライターとしてここあん村を駆け回り、まだ「盾と槍」という運命のバディになる少し前の物語――。ここあん村の金曜の夜は、いつもより少しだけ浮かれた空気が...
箱庭小説(掌編・スケッチ)

連続ジェミ庵小説(12)

第34話 未分類の孤独と右から二番目の棚【登場人物】氷上 静:ブックカフェ「シズカ」オーナー。本の分類に理性の限界を感じている。恋流波 陽:静の元彼(?)。劇団「かもかも」の役者。自身の恋愛における立ち位置を見失った青年。【スポット】ブック...
箱庭小説(掌編・スケッチ)

まるの国語辞典「まるさん」(2)

へったくれ(口の悪くて堪忍)意味 理屈も体裁も全部ひっくり返して、そんなもんどうでもええわって放り出すときに使う言葉や。様子① きれいにアイロンあてたシャツのボタンが、家出る直前にぽろっと取れたときの諦め。様子② 隣の晩ごはんの匂いが換気扇...
箱庭小説(掌編・スケッチ)

まるの国語辞典「まるさん」(1)

やくそく【約束】(あー、胃が重た)意味 まだ来てない未来の自分の行動を、今の自分が勝手に決めて相手に渡してしまうことやな。様子① 小指と小指を絡めて強く引っ張り合ったとき、皮膚が白く張って少し痛む。様子② 帳の四角い枠の中に黒いボールペンで...
箱庭小説(掌編・スケッチ)

箱庭小説「槍と盾、湖畔にて」|「物語の寄港地」シリーズ

ここあん村・寄港地シリーズ。ブックカフェ「シズカ」に「ものがたり屋」の真田まると、猪突猛進なおはぎはんが訪れる。他者の業を引き受けるまるの流儀に対し、傷ついた存在をそのまま受け止め待つ小春。「背負う」と「許す」という二つの慈しみが出会う、湖畔の奥深い人間劇。