ものがたり 掌編「割れない鏡」
アスファルトが八月の陽光を照り返している。東風公園応急仮設住宅の集会所。首を振る扇風機の音と、数人の子供の声。それ以外は沈黙だった。氷上静はパイプ椅子に浅く腰掛け、その沈黙の中にいた。ここあん村を襲った「あのこと」から数年。母の冬子に連れら...
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