2026-09

箱庭小説(掌編・スケッチ)

箱庭小説「ラブちゃんの筑前煮」|地層3

午後の遅い日差しが、居酒屋「ここきた」の磨かれた窓ガラスを通り抜けて、店内をさざ波のように輝かせていた。まだ客の来る時間ではない。活田地区の学生街の喧騒も、この路地裏までは届かず、しん、と静まり返った店内は、夜の賑わいが嘘のようだ。渡良瀬愛...
箱庭小説(掌編・スケッチ)

箱庭小説「たたこは夢の中」|地層3

うたた寝は、浅い海の底を漂う感覚に似ている。音のない世界。重力から解き放たれた手足。意識と無意識の境目で、クラゲのように、ただゆらゆらと。たたこはベッドの上で猫のように丸まっていた。窓から差し込む初夏の光が、彼女の黒髪を淡く縁取り、マリンス...
ZINE・住民のつぶやき

海野みかんのヴィネット講座(3)「ヴィネット」の未来は明るい?|ここあん高校メタ講義録

こんにちは、海野みかんです……って、名前はもういいか。前回までの講義で、ヴィネットの基本的な性質や、具体的な作品分析など、かなり深いところまで掘り下げてきました。今日は、さらにもう一歩踏み込み、ヴィネットという形式が持つ可能性や、他の芸術と...
箱庭コント

箱庭コント あらすじ&リンクまとめ(16)|301〜320

箱庭コント301「分速400メートルの弟」|はるなつコントシリーズ(あらすじ)夕暮れの居間で、十歳のはるひこが算数ドリルを前に、旅人算で弟が猛スピードで兄を追いかける状況に人間ドラマの事件性を感じ、うっとりしている。ソファで寝そべる母みちこ...
箱庭コント

箱庭コント318「ちがう男に魅せられて?」

[読むシットコム・コント台本]名曲『魅せられて』の主人公は男の腕マニア?「腕の中で別の男の腕を見る」という歌詞の物理的矛盾を解明するため、徒然士とおはぎはんは男子学生恋流波陽を巻き込み実証実験を開始。作・千早亭小倉