箱庭小説

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箱庭ラノベ|第27話 屋上の翻訳者|ここあん高校文芸部

僕と天野さんの「翻訳作業」は、想像を遥かに超える化学反応を生み出した。それはまるで、水素と酸素が出会って水になるような、必然的で、それでいて奇跡的な結合だった。【情景パターン:夕暮れの教室】僕の骨格: 『放課後の教室。西日が差し込み、机と椅...
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移動図書館日記(116)

これは、日記という名を借りた私の記憶。某月某日。ロマコメ号のオーニングの下を、乾いた柔らかな風が通り抜けていく。カウンターの前に立った七十代くらいの女性が、少しだけ心許ない手つきで、三冊の本を差し出した。「たぶん、ここで借りたのよね。家族が...
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箱庭掌編「あの頃、早稲田グランド坂で」

[昭和レトロ]早稲田大学のグランド坂にあるスナック「灯台」を舞台にした掌編小説。一浪して入学したはるひこが、高校時代の不可解な人間関係のカーストを振り返る。狭い教室の息苦しさから、巨大な大学の自由へ。都会の夜、静かに胸に染みる瑞々しい青春の物語。
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箱庭小説「海辺のフェルマータ」

過保護な母との口論は、苦手な柔軟剤の香りが楽譜に移るというひどくくだらない理由から始まった。苛立ちを鎮めるために実家を飛び出し、一人で酒を煽った。東北のオーケストラの打ち上げで鍛えられたという自負は、ここあん村の空気がもたらす気の緩みであっ...
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移動図書館日記(115)

これは、日記という名を借りた私の記憶。遠野から戻り、数日ぶりに本館の通用口を開けた。紙と埃、それにほんの少しの湿気が混ざったいつもの匂いが、静かに鼻をくすぐる。たった数日不在にしただけなのに、随分と長い間ここを離れていたような気がする。ああ...