箱庭小説

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移動図書館日記(118)

[移動図書館のものがたり]遠野から戻った千夏は、デスクに飾った写真のナンバープレートから重たい言葉を連想し、中野文に電話をかける。しかし口から出たのは、現地で聞いた「逃げ出した馬」の安否だった。重たい言葉を介さず、他愛のない日常 of 報告でつながる二人の静かな時間を描く。
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箱庭小説「一本道」

氷上静は、実家の門を背にして歩き出した。右にはここあん鉄道の線路、左には無機質な住宅の塀が続いている。視界の先まで、古びたアスファルトが約400メートルにわたって単調な直線を引いていた。右にも左にも曲がる場所がない、ただの一本道だ。実家を出...
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移動図書館日記(117)

これは、日記という名を借りた私の記憶。ロマコメ号のオーニングの下、心地よい風が通り抜けていく。カウンターの前に立つ80代くらいのおかあさんが、何十年も仲間と続けてきたという小さな人形劇団の名前を教えてくれた。「ンギヤボンガ」「ン? え、『ん...
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箱庭ラノベ|第27話 屋上の翻訳者|ここあん高校文芸部

僕と天野さんの「翻訳作業」は、想像を遥かに超える化学反応を生み出した。それはまるで、水素と酸素が出会って水になるような、必然的で、それでいて奇跡的な結合だった。【情景パターン:夕暮れの教室】僕の骨格: 『放課後の教室。西日が差し込み、机と椅...
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移動図書館日記(116)

これは、日記という名を借りた私の記憶。某月某日。ロマコメ号のオーニングの下を、乾いた柔らかな風が通り抜けていく。カウンターの前に立った七十代くらいの女性が、少しだけ心許ない手つきで、三冊の本を差し出した。「たぶん、ここで借りたのよね。家族が...