箱庭コント61「ペコリーにょの引力」
(あらすじ)ここあん高校の美術準備室で、感覚派の元文芸部員であるギオンが、デッサン用のリンゴを前にその存在感を表現する至高のオノマトペを見つけ出そうと苦悶しているところ。そこへ計測器でリンゴの物理データを測定していた文芸部員の堂島巧が、単なる標準重力に従う球体に過ぎないと冷淡に指摘し、客観的な数値の正しさを突きつける。
箱庭コント62「愛の値段」
(あらすじ)自室で過ごすここあん大学生の恋流波陽。傍らにはうず高く積まれた映画関係の資料。部屋に入り浸っている幼馴染の南ちづるが本棚から古いアニメの解説本を引っ張り出し、カラー印刷なのに定価380円と破格であることに驚いた上で、ホルモン焼きの専門書ではないかと突拍子もない勘違いをして面白半分に絡んでくる。
箱庭コント63「英雄のセンサー」
(あらすじ)開店前のスーパー「人生」で、ここあん大学院生の権田猛が、自動ドアが開いたまま店内の冷気が逃げている原因の段ボールに気づいて注意を促しているところ。そこへ叔父でオーナーの郷田剛が、英雄の登場には風が必要だと豪語し、自作の等身大パネルを叩き台にして駐車場の真ん中に銅像を建てようと勝手な持論を展開して押し切ろうとする。
箱庭コント64「演劇祭、その採点に異議あり!」(外部リンク:はてなブログ)
(あらすじ)演劇祭の事務局テントで、手伝いをしているFMここあん局長の田中前みち太が、散らばる審査結果の書類を前に胃を押さえているところ。そこへ劇団の座付き作家である文芸評論家の徒然士が血相を変えて飛び込んできて、自作についた4点という評価を3点満点を突き破ったシステムの故障だと勝手に解釈し、大声で詰め寄ってくる。
箱庭コント65「黄色い中身の重力」
(あらすじ)ここあん高校。放課後の教室にて。文芸部部長の黒崎文が、机の上に置かれたたまごサンドイッチから中身がはみ出している様子を見咎め、安っぽく締まりがないと厳しく難じる。同席するバスケ部の天野光が、自分の良いところを見せようとしていて愛らしいとすべてを肯定的に捉え、言葉の重みを説く文の理屈を軽やかに受け流す。
箱庭コント66「屋上と不確定性原理」
(あらすじ)ここあん高校。放課後の校舎屋上で、シニカルな女子高生のリリカが、同級生のケニーとともにフェンス際で街を眺めて息抜きをしているところ。そこへ緊張した様子の男子生徒カリソメ君がやってきて、青春ドラマのように自由を叫んだり将来の夢を尋ねたりしたため、リリカが量子力学の不確定性原理を持ち出して夢の陳腐さを冷たく切り捨てる。
箱庭コント67「加速するランナー」
(あらすじ)ここあん大学の学生ラウンジで、理論物理学を専攻する大学院生の平泉慧が、テレビから流れるマラソン中継を眺めながらエネルギーの浪費に呆れているところ。そこへ同じく院生の篠田律が、力走する選手の姿をイギリス文学の小説になぞらえて語りかけ、さらにAIスピーカーの突飛な解説も巻き込んで文学のあらすじ論議を繰り広げ始める。
箱庭コント68「環奈いかんな」
(あらすじ)ペンタ前、霧深いバス停留所。ここあん大学哲学科准教授の熱田功子が、学生たちの乗車マナーに目を光らせているところ。そこへ数日風呂に入っていない古生物学専攻の大学院生・花野環奈が堂々と列に割り込んできて、これは地層にマグマが入り込む貫入現象であり地球の歴史から見れば誤差の範囲だと、壮大な屁理屈を並べて悪びれずに正当化してくる。
箱庭コント69「AIの倫理観」
(あらすじ)箱庭コント68の続き。熱田功子の説教を受け疲労困憊した大学院生の花野環奈。ここあん大学の地下ラウンジで、ソファに倒れ込み空腹のあまり動けなくなっている。そこへ同じく省エネを貫いてこたつに潜り込む平泉慧に対し、机の上の菓子を取ってほしいと頼むも、腕を伸ばす消費カロリーと摂取量の収支が合わないと物理法則を盾にして冷徹に拒絶されてしまう。
箱庭コント70「解像度のデュエリスト」
(あらすじ)ここあん湖畔のブックカフェの店内で、感覚派のここあん高校元文芸部員ギオンが、店内の静寂を表現する至高の擬音語を見出そうと店主の氷上静へ熱っぽく訴えているところ。そこへ双子の弟であるギタイが音もなく背後に現れ、静けさの本質は音ではなく状態を表す擬態語にあると主張し、兄弟によるオノマトペの解像度を巡る激しい論争を吹っ掛けてくる。
箱庭コント71「居酒屋ここきたのテンポ・ルバート」(外部リンク:はてなブログ)
(あらすじ)ここあん村の居酒屋「ここきた」。カウンター席で、伸び悩む若手落語家の酔酔亭馬楼が、芸の解放感やキレを求めて無軌道に酒をあおっているところ。そこへ同席する完璧主義のピアニスト糠森ひなが、喉や演奏を壊す危険性を音楽用語で畳みかけるように指摘し、その無謀なハイペースの飲み方に冷徹かつ鋭い説教を浴びせてブレーキをかけようとする。
箱庭コント72「鶏とさばの運命的な何か」
(あらすじ)昼休みのここあん高校学食。同校の学生カートが、頼んだはずの唐揚げではなくサバの味噌煮がトレイに載っていることに戸惑いながら席を探しているところ。そこへ向かいの席で文庫本を読んでいた同級生のケニーが、スプーンしかなく困惑するカートを見かねて、愛読するアメリカ文学の不条理劇を引き合いに出して静かに運命論を語りかける。
箱庭コント73「月またぎ」
(あらすじ)ここあん高校、放課後の教室。自称モブキャラの男子生徒カリソメが、窓枠のテープ跡を指でこすりながら余計なイベントのない平穏な日常に浸っているところ。そこへ同席する文芸部部長の黒崎文とリリカが、美術教師への憧れを語るカリソメの安易な認識に対し、思春期の危うさを搾取する三流のプロットだと冷ややかに難じて切り捨てにかかる。
箱庭コント74「姉リリカの受難」
(あらすじ)自宅のリビングで、ここあん高校に通うシニカルな女子高生のリリカが、ソファで静かに安部公房の文庫本を読んでいる。そこへ小学生の弟・太陽が虫取り網と空の虫カゴを手に駆け込んできて、公園で「孤独」を捕まえたと言い放ち、姉の孤独も一緒に入れてあげようと虫カゴを目の前で振り回して平穏な読書時間をかき乱しにかかる。
箱庭コント75「至高のオノマトペとプロットの奴隷」
(あらすじ)薄暗い純喫茶で、ここあん高校元文芸部員のギオンが、運ばれてきた珈琲カップが鳴らす音に納得がいかず、独自の至高のオノマトペを追求して苦悶しているところ。そこへ背後の席に居合わせたカリソメ君とケニーが、ギオンの突飛な言動を観察しながら、異常な振る舞いで世界の裏設定を呼び出そうとする彼の意図に巻き込まれそうになる。
箱庭コント76「自販機の選択的非実在性」
(あらすじ)ペンタにあるここあん高校内の自動販売機の前で、男子生徒のカリソメ君が、落として隙間に入ってしまった百円玉を傘で掻き出そうと必死になっているところ。そこへ背後に現れた同級生のリリカが、量子力学の重ね合わせや建物の構造的均衡を持ち出し、百円を回収する行為は世界の決定論への反逆だと難解な理屈を並べて引き止めにかかる。
箱庭コント77「社会とエンタメのピンク色の関係」
(あらすじ)湖畔のブックカフェ「シズカ」の店内で、ここあん高校文芸部部長の黒崎文が、社会派小説に没頭しながらエンタメは現実の痛みを直視させる劇薬であるべきだと噛み締めている。そこへ文と同じ高校に通う矢尾リリカの母玲子が華やかに現れ、現実という生ゴミを隠すのがエンタメの魔法だとお花畑な持論を展開し、重苦しい本をファンシーな包装紙で包もうとしてくる。
箱庭コント78「十円玉の重み」
(あらすじ)夕暮れのここあん大学構内で、映画監督志望の大学院生である聖林太郎が、自販機の釣り銭として出てきた大量の十円玉をシャツの裾で抱え込んでいるところ。そこへ後輩の岸辺義道が通りかかり、不便で損をしただけだと呆れるも、林太郎が一枚ごとに異なる人生の苦労や泥臭いドラマが詰まっていると熱弁を振るって絡んでくる。
箱庭コント79「純粋理性批判的な何か」
(あらすじ)夕暮れのここあん村克枯商店街の路上で、商店街会長の郷田剛が、路上に落ちた銀色の物体を自分を称える天からの啓示だと興奮して見つめているところ。そこへ自称ステキさんの矢尾玲子が駆け寄り、自分を飾る天使の涙だと主張して譲らず、呆れ顔の映画館夕日座支配人・伊武人具をよそに、互いの肥大化した自己愛フィルターをぶつけ合って奪い合う。
箱庭コント80「深夜のデトックス・セッション」
(あらすじ)深夜の公園で、ガールズバンドのベース担当であるべんべんが、自身の人の良さが滲み出る音を脱し、泥臭い重低音を鳴らそうと周囲に悪態を吐き散らしているところ。そこへ人間の毒が大好物である謎の浮遊体コヒョンさんが暗闇から現れ、べんべんの吐き出す悪意を次々と吸い取って音を神聖に浄化し、彼女を激しく苛立たせる。



