箱庭コント321「放物線の軌跡の上」
(あらすじ)校正者の辻さゆりが、夕暮れのバス停で予定の遅れを気にしながらバスを待っている。直感で生きるここあん高生の天野光が、部活で決めたシュートの感覚をオノマトペ交じりに報告したため、さゆりが非論理的な会話を改善しようとお笑いのツッコミを唐突に繰り出し始める。
箱庭コント322「禅メルヘン」
(あらすじ)ここあん大学准教授の熱田功子が、ここあん村図書館のラウンジで利用マナー啓発ポスターの原案を睨み、倫理的根拠が足りないと激しく赤字を入れる。司書の真木まきが返却絵本を抱えてふんわりと通りかかり、大声を出すと妖精が起きるとメルヘンな世界観に置き換えて宥めようとしてくる。
箱庭コント323「人生はチョコレートの箱」
(あらすじ)放課後。ここあん高生のカリソメ君が、ここあん湖畔のブックカフェ「シズカ」で映画版『フォレスト・ガンプ』の名台詞や名場面を興奮気味に振り返っている。同級生で読書家のケニーが同調するも、設定が似た別の映画『ガープの世界』と完全に混同して話を進め、二人の会話に食い違いが生じ始める。
箱庭コント324「栞の大喜利タイム」
(あらすじ)ここあん村の作家たちが暮らす常磐荘の大家の娘・鴨下栞が、夕暮れの共同炊事場でスケッチブックを手に住人を集め、唐突に大喜利大会を始めようする。呼び出された作家の逢坂渉が、下世話な催しだと反発するも、先月分の家賃滞納を盾に脅されて渋々最初のお題に挑まされることになる。
箱庭コント325「中野さんアミノ酸」|未来の中野さん
(あらすじ)研究員の青年ハルが、深夜のリビングで夜食のカップ麺を食べようと戻ってくる。アンティークのティーカップで特殊なアミノ酸溶液を優雅に飲んでいた旧式家事代行AIの中野さんが、深夜の塩分過多を嗜めつつ、知的好奇心から一口味見をねだるハルを威圧感で牽制し始める。
箱庭コント326「愛の重さ」|未来の中野さん
(あらすじ)研究員の青年ハルが、休日の散らかったキッチンで日頃の感謝を込め、旧式家事代行AIの中野さんのために特製オムライスを振る舞おうとする。中野さんが調理の手際の悪さを指摘し、食後の片付けを後回しにして団らんを優先しようとするハルに対し、体重の印象制御を緩めて物理的な重圧をかけ始める。
箱庭コント327「ポンコツたちの純喫茶」|小春ちゃん(Another World)
(あらすじ)平凡な大学生のタダシが、純喫茶で吸血鬼の彼女である小春を前に、最近続く不運や生命線の薄さを嘆いている。業務用の箱入りアイスを手づかみで食べる大柄なテコが勢いよく乱入してきて、小春に噛まれて最強のアイスクリームに変身するための特訓をしてほしいと懇願してくる。
箱庭コント328「深夜の結界」|素敵です中野さんシリーズ
(あらすじ)ここあん村の編集プロダクション「ぽんちょ」でバイトをするここあん大生の恋流波陽が、深夜の修羅場で頭が回らなくなり、床に寝袋を敷いて仮眠を取ろうとしているところ。そこへパート職員の中野小春が駆け寄り、過酷な締め切りや催促から彼の安眠を守るためだと称して、床にマスキングテープで遊牧民仕込みの結界を貼り始める。
箱庭コント329「定義不可能な一票」
(あらすじ)ここあん湖畔のブックカフェ「シズカ」店主で現代思想家の氷上静が、公民館の投票所へ向かう道すがら、選挙を論理の厳格な儀式と捉えて隣を歩く、共同オーナーの中野小春に投票先の根拠を問うている。小春が、風の音が優しかったからと感覚的な理由を飄々と返し、論理的整合性を重んじる静の理性を大きく揺さぶる。
箱庭コント330「まとめてまるめてポン」
(あらすじ)ここあん湖畔のブックカフェ「シズカ」店主の氷上静が、カウンター越しに冷めた珈琲を前にして、時間と存在の不可逆性に関する哲学的な講釈を熱弁し終えたところ。集まっていた客のひとり、「スチール」編集者のカゲロウが、お互いのすれ違いを描いたドラマチックなあらすじとして手帳にまとめ上げ、静の長大な話を凝縮して受け止めにかかる。
箱庭コント331「変身キノコ」
(あらすじ)ここあん村で暮らす作家の朝霧沙緒が、古書店「古河書店」の軒先のベンチで冷えた缶コーヒーを手に、世界の退屈と自らの悲劇に気だるく浸っている。首から大きな一眼カメラを提げた写真家の銀板次郎が通りかかり、うなだれた沙緒の姿が湿った土から生えた巨大なシイタケに見えるとスマホで勝手に撮影し始める。
箱庭コント332「40年前の落とし蓋」
(あらすじ)ここあん村で暮らす主婦の中野あやねが、夜のここあん村図書館の返却ポストに本を滑り込ませ、鍋の火を消したか不安になって遅くなったと独り言をこぼしている。ポスト脇に置かれた木製の真空管ラジオが突然声をかけてきて、あやねの夕飯作りの様子や40年前の自主映画の記憶を正確に言い当てて翻弄し始める。
箱庭コント333「開かずの文庫本」|はるなつコントシリーズ
(あらすじ)昭和40年代、舞台は世田谷区砧あたり。専業主婦のみちこが、夕暮れの開かずの踏切の前で次男の手を引き、遮断機が上がるのをくたびれた様子で待っている。線路脇の柵に寄りかかる長男のはるひこが、意味も分からず持ち歩いている分厚い文庫本『赤と黒』をめくりながら、ページ数が多い本ほど面白さも詰まっているのだと独自の読書論を語り聞かせてくる。
箱庭コント334「花の都からの招待状」|ステキさんシリーズ
(あらすじ)自宅のリビングのソファで静かに本を読んでいたここあん高生の矢尾リリカは、母の玲子(ステキさん)に玄関に呼ばれる。自らを世界を魅了するコメディエンヌだと信じ込み、フランスから届いた怪しい招待状を美の式典への招聘だと都合よく解釈した玲子は、胸に抱えた派手な金色の封筒を、自慢げに見せびらかす。
箱庭コント335「2つの黄色いの」|はるなつコントシリーズ
(あらすじ)昭和40年代、舞台は世田谷区砧あたり。十歳の長男はるひこが、居間のテーブルに並んだ母手作りの薄焼き菓子と親戚からの土産の銘菓「鶏卵素麺」を見比べ、どちらも「黄色いの」だと母に話しかける。不機嫌そうに新聞を読んでいた弁護士の父まさよしは、呼び名が紛らわしいと苛立ちを露わにし、箱に書かれた正式名称で正しく区別しろと小言を浴びせてくる。
箱庭コント336「バスを待つ間に」
(あらすじ)ここあん村某所。理論物理学専攻のここあん大学院生平泉慧は、バスを待つ間、体表温度の低下を防ごうと垂直に重心を落として直立不動を貫いている。同じくバスを待つ老婦人の氷上冬子が、凝り固まった慧の頑なな立ち姿を観察し、体を動かさなければ節々が錆びついてしまうと気楽に声をかけてくる。
箱庭コント337「昨日、ここあんバードで」
(あらすじ)ここあん村の映画館「夕日座」の前で、映画監督志望のここあん大生岸辺義道が、『去年マリエンバードで』のポスターを見上げながら、南仏のカフェを想起させるお洒落で映画的なタイトルだと内容も知らずに陶酔しているところ。そこへ同じポスターを眺めていた文士気取りのぺらいちまいが、自分には逃げ場のない密閉空間に響くと口を挟み、独自の解釈をぶつけてくる。
箱庭コント338「しゑや!」
(あらすじ)ここあん高校の放課後。空き教室で、「オノマとペ」グループのギオンが黒板拭きを落とした拍子に「しゑや!」と叫び、万葉集に由来する諦めと決意の感動詞だと熱弁。仲間のギセイ(元ケイヨウ)が、現代では伝わらない無駄な言葉だと反論しつつも、日常の様々な失敗場面に当てはめてその機能美や実用性を大真面目に検証し始める。
箱庭コント339「モーレツ当たろう」
(あらすじ)ここあん村の編集プロダクション「ぽんちょ」の打ち合わせ席で、文芸評論家の徒然士が自身の原稿を前に、苦心して選んだ雨の情景描写を削られたことに憤慨。校正者の辻さゆりは、直前の表現と重複しており読者の認知負荷を増大させると冷静に指摘し、情報伝達を効率化する観点から文章の無駄を削ぎ落とそうと迫る。
箱庭コント340「靴下、靴下問題」|AI検閲官ジェニ美
(あらすじ)ここあん村の未来。政府倫理局(SRK)の福利厚生フロア。倫理監督官の南花焚美が、生活の手触りを学ぶために部下のアンドロイドであるジェニ美に作成させた感情表現辞典の原稿をチェックしている。急に関西弁を話し始めたジェニ美が自信満々に応じるも、提示される感情の用例がことごとく「靴下」に偏っている異常さに、焚美が激しくツッコミを入れる。



